レポート

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第11回奄美島うたのど自慢大会を5年ぶり開催−奄美文化交流協会などが主催
−ムスヤさん(シマ唄の部)と久原さん(奄美歌謡の部)が優勝−

シマ唄の部優勝のムスヤさん 奄美歌謡の部優勝の久原さん

 奄美文化交流協会と奄美島うたのど自慢実行委員会は、9月15日(日)午後1時から東京・目黒区の目黒区民センターホールで、「第11回奄美島うたのど自慢大会」を開催しました。

 この大会は、奄美の伝統文化である「島うた・奄美歌謡」を広め、奄美ファンの交流と親睦を深めながら古里へ寄与することを目的として、2010年から始まりました。

 コロナ禍の影響で19年の第10回大会を最後に中断していましたが、新型コロナが昨年5月から「5類感染症」になったのを受け、5年ぶりに再開する運びとなりました。

 大会は、のど自慢の他にゲストショーなどもある5部構成。第1部の島唄の部には17人が出場。静岡県出身で2回目出場のムスヤ葉子さんが「野茶坊節」を歌い、優勝しました。

 続く奄美歌謡・奄美POPsの第2部には14人が出場。瀬戸内町出身で3回目出場の久原卓也さんが、オリジナル曲の「島唄のブルース」を熱唱し、優勝しました。

シマ唄の部2位の田中さん

奄美歌謡の部2位の池田さん

同上3位の稲井さん

同上3位の坂本さん

同上審査員特別賞の林さん
同上敢闘賞の福卓也・勝行さん

 オープニングでは、司会進行役の影山のぞみさんから審査委員として惠原義之さん(元電通企画推進部部長)と江間淳さん(奄美シマウタ研究会会員)、藤井高徳さん(奄美文化交流協相談役、(株)ティダ社長)の紹介があり、続いて各賞と採点方法などの内容説明がありました。

 その後、各出場者は持ち時間(4分間前後)の中で、三線やお囃子(はやし)、カラオケの伴奏に合わせ熱唱。のど自慢大会はほぼスケジュール通り、順調に終了しました。


 ★優勝者を含む入賞者は以下の通り(敬称略、カギカッコ内は曲名)

・第1部:シマ唄の部 @優勝 ムスヤ葉子(静岡)「野茶坊節」 A準優勝 田中真由美(住用)「花染節 」 B第3位 稲井紘子 「いそ加那」 C審査員特別賞 林俊仁(永良部)「永良部シュンサミ」

・第2部:奄美歌謡・奄美POPsの部 @優勝 久原卓也(瀬戸内)「島唄のブルース」 A準優勝 池田睦(瀬戸内)「奄美小唄」 B第3位 坂本順子(瀬戸内)「加計呂麻慕情」 C敢闘賞 福卓也・勝行(瀬戸内)「島の風」

紬ショーで歩いたりポーズを決める参加者
紬ショー参加者13人と応援団

 ゲストコーナーの第3部では、前回大会で好評を博した紬ショーが行われました。東京や奄美出身者ら13人と応援団が、お気に入りの大島紬などを着て順番に登場。笑顔を浮かべながら舞台上を歩いたり、ポーズを決めて来場者の拍手を浴びていました。

 さらに中尾聖子さん(旧姓・山下、笠利町出身)と藤田晶さん(同)の2人が懐かしいシマ唄を歌い、歌手の屋宮弘孝さん(名瀬出身)は奄美歌謡を披露しました。

 また、奄美と琉球の民族舞踊をベースに国内と世界各地で創作舞踊を公演する「伊是名の会」は、今回も趣向を凝らした演出と踊りで観客を魅了しました。

奄美歌謡を歌うゲストの屋宮さん シマ唄を歌うゲストの藤田さん
シマ唄を歌うゲストの中尾さん(左)、三線は藤田さん
伊是名の会の踊り(ゲスト出演)

 審査発表・表彰式では、受賞者に賞状と盾などが手渡され、審査員長の惠原義之さんが講評しました。その後のフィナーレでは、ワイド節から六調へと展開し、出演者と観客が混全一体となって舞台上や通路で踊り、会場内は奄美の熱気に包まれ終了しました。

表彰式で賞状と盾を持つ参加者

舞台の六調に合わせ踊る観客

会場の目黒区民センターホール入り口

奄美文化交流協会会長の惠原睦男さんのコメントは以下の通り

 第10回記念大会まで、協会並びに“のど自慢”を総合的にプロデュースしていた樺山浩三前会長(現顧問)から引き継ぐことになり、いろいろご指導を受けながら準備したのですが、読みの甘さもありバタバタしてしまいました。引き継いでくれているスタッフ(ほとんどシマッチュ)の協力があり、どうにか無事終了する事が出来ました。

 第11回大会の今回は、企画・構成・舞台監督・台本作成と一人でこなしたのですが、分担してやるべきだったような気がします。ただ、スタッフと言っても皆さん本業を持ちながらのボランティアですので、どこまでお願いできるかが問題です。樺山前会長の手腕のすごさを改めて感じている次第です。

 コンテンツについてですが、前回大会から5年経過しており、数多くの方が初参加でした。特に二部の「奄美歌謡の部」は出場者14組のうち10組が初参加でした。実に70%を超えています。新鮮で良いという意見もありますが、その成長度を見たい気持ちもありますので、再チャレンジを期待したいですね。

 一部の「島唄の部」の初参加者が50%弱だったので、いい割合だったと思います。また、出たいと思える大会を続けていきます。

 ゲストの中尾(旧姓・山下)聖子さんは民謡大賞受賞者ですが、東京でのステージは約15年ぶりということで大変楽しみにしていました。舞台裏の話になりますが、上京予定の14日に奄美を台風13号が襲来し飛行機に乗る事が出来ず、頭が真っ白になりました。

 しかし、大会当日の15日に鹿児島経由でどうにか本番2時間前に会場へ到着、ステージにあがる事が出来ました。努力してくれた聖子さんに感謝すると同時に、もしもの時のために代理としてスタンバイしてくれていた森田美咲さん(民謡大賞受賞者)にも大感謝です。

 紬ショーや受賞式など改善するところはいろいろとありますが、会場の皆さま方が楽しそうにしておられたことで、東京奄美文化交流協会が開催する奄美島うたのど自慢大会の一つの目的が達成できたのではないか、と思っております。来年以降ももっと充実した大会を開催していきます。今後ともご協力・ご声援をお願い致します。

(写真=仁禮善美、文・構成=HP管理人、2024.09.21up)

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