レポート

第8回奄美島うたのど自慢大会を開催−奄美文化交流協会など主催
−小幡さん(島唄の部)と林さん(新民謡の部)が優勝−

 奄美関係者にとっては夏の風物詩ともなっている奄美島うたのど自慢大会が8月27日、東京・目黒区の区民センターホールで開催された。奄美文化交流協会などが奄美の文化である島唄や八月踊りなどを通じて古里を懐かしんでもらうとともに、奄美群島の振興・発展などにも寄与することを目的に始めた。

 8回目となる今年は、スペシャルゲストとして若手演歌歌手の徳永ゆうきさん、今春の奄美シマ唄日本一大会で最優秀賞を受賞した福山幸司さん(龍郷町在住)、それに第23回奄美民謡大賞受賞の牧岡奈美さんが出演した。

太鼓を先頭に入場する北大島八月踊り同好会の皆さん

 今回は、幕間での方言による「島ゆむたお楽しみタイム」、フィナーレでは北大島八月踊り同好会による八月踊りが華やかに繰り広げられた。会場はこの日も大勢の観客でにぎわい、懐かしい本場・奄美のウタシャ(歌者)の歌声や踊りに皆が酔いしれた。

島うたの部優勝の小幡美紀さん(右)、お囃子は第2回大会優勝の池田麗奈さん

 大会は5部構成で、第1部の島うたの部には都合で欠席した1人を除く23人が出場。過去の大会で、第3位や特別賞などを受賞している小幡美紀さん(笠利3世)が「請けくま慢女節」を歌い、見事優勝した。

 続く新民謡の第2部には12人が出場。奄美2世の林法義(のりよし)さんが、仲間とともに奄美大島を紹介する「大島エレジー」をギターの弾き語りでユーモラスに歌い、初出場ながら優勝を果たした。

 東京奄美サンシン会で、島うたを習う本同窓会の記原正一郎会長は、残念ながら入賞ならなかった。記原会長は今後も精進を重ね、来年以降も挑戦すると話していた。

新民謡の部優勝の林さん(右から2人目)

 オープニングでは、司会進行役の田中美穂さん(元MBCアナウンサー)から審査員を務める恵原義之さん(元電通企画推進部長)とジャバラレコード代表の森田純一さん、奄美文化交流協会副会長の梅崎義人さん(元時事通信社)の紹介と各賞、採点方法などの内容説明があった。

 その後、各出場者は持ち時間(4分間前後)の中で、三線やお囃子(はやし)、カラオケの伴奏に合わせ熱唱。午後3時半過ぎ、のど自慢大会は順調に終了した。

島唄の部優勝の小幡美紀さん

同部準優勝の田中眞由美さん「長俊良主節」

「今ぬ風雲節」を歌う同3位の勇みつえさん

「嘉徳なべ加那節」を歌う同審査員賞の朝 木綿子さん

同審査員特別賞の佐藤隆幸さん「黒だんど節」

「みち節」を歌う本同窓会会長の記原正一郎さん



奄美新民謡の部優勝の林法義さん

同部準優勝の林敏雄さん「帰郷」

同3位の重信洋子さん「島のブルース」

同審査員賞の吉河愛子さん「スラヨイ黒糖」


 3部の「島ゆむたお楽しみタイム」では、喜界島と大和村、瀬戸内町(加計呂麻島)、与論島の出身者4人が自己紹介や古里での思い出話を島ゆむた(方言)で語らい、観客の笑いを誘った。

島ゆむたでユーモラスに自己紹介する皆さん

 ゲストコーナーの部では、牧岡さんが朝花節など3曲を、福山さんはヨイスラ節など4曲を三線で歌った。続いて登場した徳永さんは「ふるさとの話をしよう」など懐かしい2曲の他、自身の持ち歌である「津軽の風」などの2曲を情感豊かに披露した。

 その後、徳永さんは車掌の物まねで会場を沸かせた後、牧岡さんとデュエット。さらに幕間の時間を利用して、牧岡さんとともに黒砂糖を来場者一人ひとりに配り、島の味を楽しんでもらった。

ゲストの徳永ゆうきさん

朝花節を歌うゲストの牧岡奈美さん

ヨイスラ節などを歌う福山幸司さん
司会進行の田中美穂さん

 審査発表・表彰式では、受賞者に賞状とトロフィーが渡され、優勝者にはさらに副賞としてバニラエアから成田―奄美往復航空券が贈られた。

 その後のフィナーレでは、東京笠利会と東京龍郷会で構成する北大島八月踊り同好会が太鼓を先頭に登場。八月踊りからワイド節、六調へと展開し、出演者と観客が一体となって舞台上や通路で踊り、会場内は奄美の熱気に包まれ終了した。

デュエットする牧岡さん(左)と徳永さん


大会運営総括委員長の樺山浩三さんのコメントは以下の通り

 島唄コーナーには笠利から3名と名瀬から1名の出場申し込みがあり、とてもうれしかったです。定員20名で締め切っていましたが、OKとしました。

 特に名瀬の佐藤隆幸さんは定年後、島唄教室に通い年齢も80歳を過ぎていました。地元では数々の賞を取っていましたが、東京にいる子や孫全員を一同に集めて夫の唄を聞かせるチャンスだと思い、奥様が申し込まれたそうです。

 このようなケースこそ文化交流協会がお手伝いすることだと思いました。一つ何か良い事をしたような気分になっております。結果は審査員特別賞でした。

 今回の目玉は第3部の島ユムタコーナーで、初めての取り組みでした。企画会議ではポイントを島ん人(シマンチュ)に置くか、大和人に置くかでいろいろな意見が出ました。

 取りあえず1度やってみようということになり、実施しました。島ん人には好評だったようですが、大和人は何が何だかポカンとしていたようです。

 島唄ゲストの牧岡奈美さん・福山幸司さんの剃刀(かみそり)のような声に、観客は驚いていたようです。

 また、徳永ゆうきさんの歌は1度聞くと、追っかけファンになると聞いていました。さすがだと思いました。なぜ、北海道や東北の歌ばかり歌うのかね・・・? 奄美をテーマとした曲もぜひ歌って欲しい!、という声を多く聞きました。

 これから時間をかけ次回の案を練ります。ありがとうございました。

最後は出演者と観客が一体となり六調で盛り上がった

★優勝者を含む入賞者は以下の通り(敬称略、カギカッコ内は曲名)

・第1部島唄 @優勝 小幡美紀(笠利3世)「請けくま慢女節」 A準優勝 田中真由美(住用2世)「長俊良主節 」 B第3位 勇みつえ(与論) 「今ぬ風雲節」 C審査員賞 朝 木綿子(笠利)「嘉徳なべ加那節」 D審査員特別賞 佐藤隆幸(名瀬)「黒だんど節」

・第2部新民謡 @優勝 林法義(奄美2世)「大島エレジー」 A準優勝 林敏雄(瀬戸内)「帰郷」 B第3位 重信洋子(沖永良部)「島のブルース」 C審査員賞 吉河愛子(喜界)「スラヨイ黒糖」

(HP管理人=山田信廣、2017.08.31up


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