レポート

第9回奄美島うたのど自慢大会を開催−奄美文化交流協会など主催
−平岡さん(島唄の部)と重信さん(新民謡の部)が優勝−

 奄美関係者が毎年楽しみしている奄美島うたのど自慢大会が10月21日、東京・目黒区の区民センターホールで開催された。会場はこの日も大勢の参観者でにぎわい、里アンナさんらスペシャルゲスト2人の伸びやかな歌声に酔いしれた。

 
奄美文化交流協会などが、奄美の文化である島唄や八月踊りなどを通じて古里を懐かしんでもらうとともに、奄美群島の振興・発展などにも寄与することを目的に始めた。これまで毎年8月に開催していたが、今回は出演者のスケジュール調整と会場予約の関係からこの日の開催となった。

奄美歌謡(新民謡)の部優勝の重信洋子さん(左)と島唄の部優勝の平岡優香さん

 9回目となる今年はスペシャルゲストとして、NHK大河ドラマ「西郷どん」のメーンテーマを歌っている里さんと、若手島唄界のカリスマとも呼ばれる前山真吾さんが出演した。

 また、幕間での「島ゆむぃたお楽しみタイム」や北大島八月踊り保存会による八月踊りがあった他、フィナーレでは大島エレジーやワイド節、六調の唄と踊りが華やかに繰り広げられた。

里さん(左)と前山さんの島唄に踊り出す人も

 大会は5部構成で、第1部の島うたの部には18人が出場。龍郷町出身で大学1年生の平岡優香さんが「塩道長浜節」を歌い、初出場ながら見事優勝した。

 続く新民謡の第2部には欠席者1人を除く15人が出場。過去の大会で第2位と3位に入賞していた沖永良部出身の重信洋子さんが、「加計呂麻慕情」をしみじみと歌い優勝を果たした。

里さんとの記念写真に収まる平岡さん
NHK大河ドラマ「西郷どん」のメーンテーマを歌う里さん

 オープニングでは、司会進行役の田中美穂さん(元MBCアナウンサー)から審査員長を務める恵原義之さん(元電通企画推進部長)と、審査員の森田純一さん(ジャバラレコード代表)、末次棋一郎さん(元NHK民謡担当チーフディレクター)、梅崎義人さん(奄美文化交流協会副会長、元時事通信社)の紹介があり、続いて各賞と採点方法などの内容説明があった。

 その後、各出場者は持ち時間(4分間前後)の中で、三線やお囃子(はやし)、カラオケの伴奏に合わせ熱唱。午後3時半過ぎ、のど自慢大会は順調に終了した。

島唄の部優勝の平岡さん

同部準優勝の福田順之さん「長俊良主節」

「野茶坊節」を歌う同3位のムスヤ葉子さん
「長俊良主節」を歌う同審査員賞の田中真由美さん



奄美新民謡の部優勝の重信さん

同部準優勝の村岡俊貴さん「永良部ゆりの花」

同3位の野沢孝行さん「あんま」

特別賞の信島賢誌さん「カンモウレ市場のうた」

奨励賞の砂守秀美さん「農村小唄」
司会進行の田中美穂さん

 第3部の「島ゆむぃたお楽しみタイム」では、龍郷町と住用(奄美市)、宇検村、徳之島、沖永良部島の出身者5人があいさつ言葉や豚などの固有名詞を島ゆむぃた(方言)で紹介し、観客の笑いを誘った。

北大島八月踊り保存会による八月踊り

島ゆむぃたをユーモラスに語る皆さん

 ゲストコーナーの部では、里さんと前山さんが一緒に登場した。前日、鹿児島県鹿屋市であった「西郷どん」キャストトーク&コンサートコンサートに出演したばかりの2人は、息もぴったり。約50分間に渡り、トークを交えながら島唄など10曲余を熱唱した。

 中でも、里さんは大河ドラマ「西郷どん」のメーンテーマをアカペラで、前山さんも同じく「西郷どん」の挿入歌を三線で歌うと、参観者はその伸びやかな声に静かに聴き入った。

 また、前山さんの三線で里さん自身がたて琴を奏でながら「行きゅんにゃ加那節」歌い上げると、その美声に癒やされ皆が感激の表情を浮かべていた。

たて琴を奏でながら歌う里さん

NHK大河ドラマ「西郷どん」の挿入歌を歌う前山さん

 審査発表・表彰式では、受賞者に賞状とトロフィーが渡され、審査員一人ひとりが講評した。

 その後のフィナーレでは、新民謡の部で昨年優勝の林法義さんが仲間の応援を得て、「大島エレジー」をユーモラスに歌い踊った。

 最後は前山さんの三線と里さんの唄で、ワイド節から六調へと展開し、出演者と観客が一体となって舞台上や通路で踊り、会場内は奄美の熱気に包まれ終了した。

大島エレジーを歌う昨年優勝の林法義さん


前山さんの三線と里さんの唄で六調を踊る参観者


大会運営総括委員長の樺山浩三さんのコメントは以下の通り

 1部の島唄はかなり上達してきました。やはりコツコツと歌っている方の歌が体に浸透して、人の心をゆすぶるのでしょう。2部の奄美歌謡(新民謡)は優勝された方全員(8名)がCDデビューされています。今回も出演者がそれぞれ衣装などに工夫を凝らしていて良かったです!

 今回ゲストの前山真吾君と里アンナさん二人の唄を聞き、「島唄はこんなに人を感動させるものか!」と、改めて自分自信も感動しました。

 実は島さばくりの第一人者の89歳の方は「5〜6年間、外に出てない」とのことでした。前日、私が「明日ですよ、忘れないで」と電話連絡すると、「体調が良くなく明日は無理のようだ」との返事でした。

 ところが、当日「さぁ行くよ」
と早起きして湘南から長い時間をかけて来てくれました。帰る際には、喜びの涙を流して帰られました。このイベント開催では色々苦労もありましたが、私まで元気になりました。ありがとうございました。

★優勝者を含む入賞者は以下の通り(敬称略、カギカッコ内は曲名)

・第1部島唄 @優勝 平岡優香(龍郷町)「塩道長浜節」 A準優勝 福田順之(龍郷町)「長俊良主節 」 B第3位 ムスヤ葉子(静岡) 「野茶坊節」 C審査員賞 田中真由美(住用)「長俊良主節」

・第2部新民謡 @優勝 重信洋子(沖永良部)「加計呂麻慕情」 A準優勝 村岡俊貴(千葉)「永良部ゆりの花」 B第3位 野沢孝行(山梨)「あんま」 C特別賞 信島賢誌(瀬戸内)「カンモウレ市場のうた」D奨励賞 砂守秀美(伊仙)「農村小唄」

(HP管理人=山田信廣、2018.10.25up


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