会員からのお便り


個展へのご来場ありがとうございました-津江三千子

 私は(奄美市名瀬出身)は、8月22日(月)〜同28日(日)の間、東京・銀座の「銀座幸伸ギャラリー ( 中央区銀座7−7−1)」で、【ささやくものたち2022】と題する個展を開催いたしました。

 銀座で開催するのは、コロナ禍の影響もあって4年ぶり6回目。その間、2019年には米国のニューヨークで個展を、今年3月には奄美パーク・田中一村記念美術館でグループ展に参加させていただきました。

「春の賛歌」(720mm×2730mm)

幻想蜻蛉と小品

 私の絵画は、現実にある風景をそのまま写生するのではなく、心の中に思い浮かべた心象風景を描く抽象画です。今回は、サガリバナをモチーフにした作品を中心として、その他の小品など十数点の作品を展示いたしました。

 その中で、会場入り口に展示した「春の賛歌」は、咲き誇る桜や金の雲、銀の波濤を描いて、喜びが溢れる春のイメージを膨らませながら半年余をかけて完成させました。

 この他、展示テーマ【ささやくものたち2022】のため、「波濤瀑布サガリバナ」と「あさぼらけ」を今回も展示しました。一夜で散るサガリバナを人の一生に見立て、命のはかなさの中に生命力を表現しました。

 期間中、銀ブラ途中の方やわざわざ遠方から鑑賞に来てくれる方もおり、忙しい日々を過ごしました。また、励ましの言葉や心温まる差し入れなども頂戴いたしました。ありがとうございました。

 美術年鑑社が今年6月、発刊した「平成の日本画(1989〜2019)」で、私の絵画【ささやき2011】が紹介されました。

 その中で、「作品のサガリバナは奄美大島を北限とし、夏の世に一夜限り咲き夜明けに散っていく。その花の形状は繊細で可憐で美しく甘い香りを放ち、一瞬で魅了されてしまった。一夜限り咲き儚く散っていく様は神秘的で神羅万象の死と生を重ね合わせてしまう。どれだけサガリバナのささやきに入っていけたか分からないが、幻想的に描いてみた。」と、記しました。

 今後も奄美の原風景をイメージしながら、自然界の精霊やエネルギー、自然観、精神世界などを自分なりに表現していけるよう、精進を重ねていきたいと思います。  

波濤瀑布サガリバナ(部分)


あさぼらけ(部分)
幻想蜻蛉(部分) 会場の幸伸ギャラリー入口

 HP管理人から=津江さんは、金箔や銀箔を使った技法で、自然との共存や命の美しさをモチーフとした作品を多く手掛けています。これまでサロン・ドトーヌ展入選8回、第47回ベルギー・オランダ美術賞大賞など多くの作品が賞を得ています。

 余談ながら、小生は実物のサガリバナの花は見たことがありません。昨年秋、帰郷の際に龍郷町の知人からその苗と種を入手しました。冬は日当たりの良い部屋に入れ、大事に育てています。何年先になるか分かりませんが、ぜひとも繊細でかぐわしい花を見たいと思っています。

奄美高校・東京配田ヶ丘同窓会の皆さんと(右から2人目が私)


(実高S43年卒、旧姓=重信、2022.08.29up)

 

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