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富士山すそ野一周を歩く(15)−HP管理人
         
富岳風穴(山梨県)〜西湖まで

 
 小生は昨年春から富士山のすそ野を一周する某旅行会社のウオーキングツアーに参加することにしました。毎月ほぼ1回開催で第17回まであり、全周は約153Kmの距離になります。

 以前、小勝顧問ご夫妻が行ったウオーキング日帰り旅行に倣い、後期高齢者になる前にと思い立ちました。第15回目(6月9日)は、富岳風穴から西湖まで。

 行程は富岳風穴⇒青木ヶ原樹海遊歩道⇒西湖いやしの里根場⇒旧レークホテル西湖前。午前は青木ヶ原樹海の遊歩道を歩き、午後は西湖沿いの舗装道(湖北ビューライン)を歩くコースで距離は約7Km、歩行時間約3時間。天候は曇り。参加者数40人。

道の駅なるさわから見る富士山(標高3,776m)

 バス出発時から曇り空は一日中続きました。出発地点までは雲も高く富士山が見えたものの、その後から雲が低く垂れ込め見えなくなっていたようです。と言うのは、樹海の中に入ったため、富士山が全く望めなくなったからです。

 今回は、半世紀以上前に富士河口湖町の根場(ねんば)地区で発生した大災害から観光地として復興した同地区「
西湖いやしの里根場」を見学。災害当時(写真)と現状の対比が強く印象に残りました。

富岳風穴内部

夏場も残る氷 富岳風穴の案内板

 資料によると、富岳風穴は横穴型で総延長201m。幅4〜7m、最も高い所は8.7mだそうです。小生もヘルメットをかぶり、所要15分の見学コースを体験しましたが、夏でも溶けない氷柱や、溶岩棚などが見られました。

 年間の平均温度は3℃だそうで、ひんやりとしていました。
昭和の初期までは、穀物や木の実、蚕の卵の貯蔵などに使われていたそうです。国の天然記念物に指定されています。

ぽっかりと口を開ける英洞穴

樹海内の案内標識

 一帯には鳴沢氷穴や龍宮洞穴、コウモリ穴、英洞穴などがありました。火山の爆発で噴出した溶岩が冷えて固まる時に出来た洞穴は、この他にもまだ知られてないものがあるのかもしれません。そんな自然の壮大な営みは、我々の想像を超えるものだと思いました。

 昼食会場は西湖いやしの里根場のそば店で取りました。旅行社の資料等によると、旧足和田村のこの地域は1966年(昭和41年)9月、秋雨前線や相次いで襲来した台風による大雨で裏山の山腹が崩壊。「山津波」と呼ばれる大規模土石流が沢を下り、根場と近くの西湖の両集落を直撃しました。

な暮らしは一瞬にして奪われ、集落は消滅してしまいました
 この土石流で両集落のかやぶき民家のほとんが全半壊。根場地区で63人、西湖地区で31人の死者・行方不明者を出す大自然災害となりました。

 その後、助かった人達は同じ場所で同様災害に遭いたくないと、県有地である樹海の一角を切り開き、それぞれが民宿村を造って移り住んだそうです。


西湖いやしの里根場

かぶと造りのかやぶき屋根の家屋が並ぶいやしの里

 平成の市町村大合併で、旧河口湖町と合併することになった根場地区(旧足和田村)の人達を中心に、荒れ果てた土地に昔の原風景をよみがえらせよう、という計画が持ち上がりました。

 まさに災害から40年を経た2006年(平成18年)、地域の歴史や文化、この地ならではの自然環境を生かした新たな観光交流拠点を創出することを目指して、かぶと造りと呼ばれる20棟のかやぶき家屋を中心とした「西湖いやしの里根場」を有料オープンさせました。

 現在では、 四季折々の美しい風景や世界遺産富士山の雄姿を求めて、国内はもとより多くのインバウンド客も訪れるようになりました。

 実際、第1回で紹介した「忍野八海」ほどではありませんでしたが、模造刀を差したり着物姿で歩く外国人観光客の姿も見られ、ちょっと驚きました。

 それにしても、昭和41年と言えば小生は高校生でしたが、こんな大災害があったことは全く知りませんでした。新聞やTVで大々的に報道されていたと思いますが、ここを訪れ初めて分かった次第です。

 当時の災害の様子は7号館の「砂防資料館」で、写真などを使い紹介されていましたが、すさまじい光景が幾つもありました。


西湖から見る雲に隠れた富士山

 温泉は富士河口湖町にある「いずみの湯」で汗を流しました。往複路とも中央高速利用でしたが、復路は高速道の渋滞を避けるため、甲州街道で上野原インターから入りました。小生はいつもの通り、石川パーキングで離団しJR八高線と西武線経由で帰宅しました。


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(HP管理人=山田信廣、2024.06.12up


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