東京奄美会が新年賀詞交歓会を開催−約400人が参加
東京奄美会(大江修造会長)は新春恒例の新年賀詞交歓会を1月19日、東京・上野公園の上野精養軒で開催した。関東圏に住む奄美出身者を中心に来賓・招待者らを含む約400人が大島紬などを着て出席した。
会は式典と懇親会・芸能祭の2部構成で、参加者は黒糖焼酎などを酌み交わして旧交を温めながら、各郷友会などによる島唄や踊りを心行くまで楽しんだ。
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三線と唄に合わせ総踊りで盛り上がる参加者 |
式典では郷土遥拝と奄美会歌斉唱などに続いて大江会長が登壇。奄美大島などの世界自然遺産登録に向けた取り組みの他、ノーベル賞受賞者による文化講演会や大運動会の開催、郷土への表敬訪問団の派遣など昨年の活動状況を紹介した。
その上で「今年は、ユネスコの世界遺産委員会で自然遺産登録の可否が決まる年。今年も登録実現に向けた支援活動を続けていく。また、10月には鹿児島県内各地で国体が開かれ奄美では相撲とトライアスロン、パワーリフティングの3競技が行われ、スポーツが奄美を元気にする年になる」などと、あいさつした。
勝光重幹事長による来賓・招待者の紹介後、金子万寿夫衆院議員と伊集院幼大和村長(鹿児島県町村会会長)、山元宗与論町長ら6人が祝辞を述べた。
その中で、金子議員は「7月の世界自然登録は確実だと思う。そうなれば、奄美への交流人口が現在の88万人から100万人に拡大すると期待している。奄美固有種の貴重な動植物などの自然を残していくのはもちろんだが、その自然に育まれた奄美独特の文化を次の世代に引き継いでいくのも大事だ。島人(シマンチュ)らしい幸せが感じられる島作りを目指したい」などと、祝辞を述べた。
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奄美会歌を歌う原口隆一さん(右、伴奏は川副夫妻)
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琉舞「御前風」を舞う竹内夫妻
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天城町会による踊り「奄美きゅら島徳之島」 |
懇親会・芸能祭の部は、成瀬茉倫さん(龍郷会)による祝い唄「長朝花節」と竹内英健夫妻(与論会)による琉舞「御前風」の後、英辰次郎奄美会顧問の音頭で乾杯を行い幕を開けた。
ビールや黒糖焼酎が振る舞われる中、各郷友会メンバーらが趣向を凝らした衣装を身にまとい、踊りや島唄を次々と披露して会場を盛り上げた。
青年部のコーナーでは、ラッパーの朝光介さんと世界ボクシング機構(WBO)女子スーパーフライ級チャンピオンの吉田実代さんが舞台に上がった。
うち、大みそかの世界戦で初防衛を果たしばかりの吉田さんは「自分のニックネームは『戦うシングルマザー』。今後も郷土の誇りを胸に戦っていきたい」などと、娘と一緒にあいさつした。
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住用会の唄と踊り「住用讃歌」
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龍郷会の踊り「鹿児島はんや節」
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名瀬会出席者全員による「名瀬セレナーデ」の斉唱 |
また、ゲストコーナーには歌手の瀬戸内三郎さんが登場し「奄美サンサン音頭」と「相撲甚句」を披露。奄美サンサン音頭では各郷友会の女性部長らがバックダンサーを務め、会場を盛り上げた。
会は終盤に近づくに従い盛り上がり、堀内元城さん(来賓、最高裁調査官)の三線と久野末勝さん(龍郷町在住、写真家)のチヂンの伴奏で、成瀬さんが「島のブルース」や「六調」を歌い出す頃には参加者が舞台上などで総踊りを繰り広げた。
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ずらりと並んだ奄美の黒糖焼酎
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喜界会の踊り「夜来香(イエライシャン)」
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笠利会の踊り「パプリカ」
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瀬戸内さんの唄に合わせ踊る各郷友会女性部長ら
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青年部コーナーでラップを歌う朝さん
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青年部コーナーであいさつする吉田さん
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総踊りを盛り上げる久野さんと堀内さん、成瀬さん(左から)
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閉会の辞を述べる森顧問
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全てのプログラムは時間通り進行し、森眞一顧問の閉会の辞の後に青年部が万歳三唱の音頭を取って終了。次回の再会を約束して散会した。
注釈:今回、祝い唄などを歌った成瀬さんは、奄美シマ唄日本一大会で最優秀賞を受賞したことがある福山幸司さん(龍郷町在住)のまな弟子。大島北高を卒業し、今春慶応義塾大学に入学予定だという。
同大への合格関連で、大学受験をサポートする「洋々」のインタビューを受け、HP上で紹介されています。その中で、成瀬さんは「高校2年生の時に高校生国際シンポジウムという課題研究の発表を行う大会で、奄美大島の地域資源を活かした過疎対策でグランプリを受賞しました。その経験から大学でもこの研究を続けたいと考えています」などと、語っています。
また、現在制作中の奄美を舞台にした映画「神の唄」で、阿摩弥姑(アマミコ)の役で出演しています。今後もますますの活躍を期待したいと思います。
(東京奄美会文化広報部・山田、2020.01.23up) |
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