顔振峠は標高500m。この峠は昔、源義経・弁慶主従が京を落ちて奥州へ逃れる際、あまりの絶景に何度も振り返ったのが名前の由来になったという、逸話が残っている。
確かに峠からは雄大な秩父の山並みが見渡せ、広葉樹の木々が芽吹き始め、淡い緑色や濃い緑、それにヤマザクラの淡いピンク色等と相まって、見ていて飽きることがなかった。「山笑う」という春の季語は、このような情景をいうのだろうか、と納得した。
また、峠からの眺めは以前歩いた長野県飯田市の遠山郷・下栗の里にも似ていた。今はベストシーズンだが、「山眠る」冬場の生活は厳しいものがあるのだろう、などと想像した。
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