ＨＰ管理人から⇒宇検村在住の佐々木さんから短歌１５首が届きました。若かりし頃の思い出やふるさとへの思いが込められています。小生にも懐かしさの中にほろ苦い思いがよみがえりました。同好の趣味をお持ちの方、投稿をお待ちしております。
テレビを見ながら雑誌を読みながら、突然言葉にならない感情が心の中にじんわりと染み込んで、やさしさと温かさをまといながら三十一文字で紡いでゆきます。
短歌を作っていると、自分でも予想していなかった形に言葉が自立してゆく瞬間があります。そんな時がたまらなくうれしくなります。そして私も誰かに読んでいただくことで、独りじゃない幸せを感じています。
名瀬港(なぜみなと)二十一時の銅鑼の音は
泪の別れに五色のテープ |
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島青年(しまねっせ)は夢の東京三番ホーム
汗と煙を纏いて降りた |
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六十年金の卵も七十八歳(ななじゅうはち)
我も降りたり夢の東京 |
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島を出て訛りが繋ぐ内地んちゅ
今日から俺はヤマトんちゅだぜ |
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同郷の「渋谷おはら」は道玄坂
ここがふるさと踊る三代 |
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団塊の金の卵の故郷は
青春埋めた内地（ないち）の暮らし |
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東京よ言わせてください「ありがとう」
いつかサヨナラ其の日くるまで |
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あやつなぎ配田ヶ丘の胸にあり
忘る事なし気遣う絆 |
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ふるさとの訛りは聞けず過疎の村
はや道端の草に埋もれし |
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静かなり今宵も独り静かなり
淋しく鳴きおりイシカワガエル |
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ふる里の千年松よ神松木（かんまちぎ）
松喰い虫に神も喰われし |
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消しゴムがやがて無くなるその日まで
苦労厭わず信じて生きる |
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ちはやぶる鬼神なりしか雷神か
天よりしぶく神のお仕置き |
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駅待合昭和のメールあれやこれ
手書きの伝言ところ狭しと |
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帰りたい生まれた土地じゃ無いけれど
僕を育てた東京へ |
・下は18年12月のトップページに掲載した同氏提供の写真
「焼内湾の朝焼け」と短歌
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明ける朝我くぐりゆくやけうちの 眩しくありし身体透きくる
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私たちは時代を背負って生きてきた自負があります。さらに時代変革の歴史を担ってきた自負があります。これからも垣根を持たないでペンを走らせていきたいと思います。
| （S38年実高機械科卒、2023.09.28up） |