私はこの春、奄美群島地域通訳案内士の研修終了証を得ることが出来ました。故郷・奄美の振興に少しでもお役に立てればと思い、古希を超えてから挑戦しました。
3月23日にはタイミング良く、大型クルーズ船「セブンシーズ・エクスプローラー」(5万6000トン)が名瀬港に入港しました。コロナ禍のため、実に約3年半ぶりのクルーズ船でした。
名瀬港に着岸した「セブンシーズ・エクスプローラー」 |
その際にはこんなアクシデントがありました。クルーズ船内で転倒したアメリカ人女性(73歳)を受診させるため、県立大島病院(奄美市名瀬真名津町)へお供しました。レントゲンやCT検査などで左上腕部の骨折と判明。緊急に骨の固定術をしてもらいました。その上で、帰国後に手術をしてもらう羽目になりましたが、楽しい船旅が大変な事態となり、気の毒で同情しました。
また、4月10日のクルーズ船入港時には、オーストラリア人夫妻を大和村の国直海岸や奄美市の大浜海岸をボランティアで観光案内し、大いに喜ばれました。
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研修終了証 |
大和村の思勝湾をバックに(画像一部修正) |
地域通訳案内士とは、その地域固有の歴史・地理・文化等の現地情報に精通した者であり、各自治体が行う研修受講を通じて「地域通訳案内士」として登録を受けた方々になります。
奄美群島の場合、同広域事務組合が実施する奄美群島地域通訳案内士育成研修を受講する必要があります。研修の受講は無料ですが、受講する場合には奄美の観光や文化に対する基礎知識と外国語に関する技量が試される口頭試問があります。
受講後、研修修了試験に合格した者が、在住市町村へ必要書類を提出して、同広域事務組合から登録証の交付を受けることで、奄美群島地域通訳案内士として活動することができます。
話は前後しますが、小生は5年前に東京から40数年ぶりにUターンしました。これまでの経験を活かし、奄美の役に立つものはないかと、当初は法律関係の資格を取る勉強をしていました。
その後、奄美が世界自然遺産登録の可能性が出てきたため、地域通訳士の方が手っ取り早くお役に立てるのではないかと考え、こちらに切り替えました。
研修受講は57時間でした。奄美の文化や歴史、地理などの地元学、旅程管理、語学、実地研修などを学びました。語学に関しては英語と中国語、それに韓国語からの選択でしたが、私は英語を選びました。
二十歳のころ、米国・ロサンゼルスを拠点に約1年間、ボストンやマイアミなどヒッチハイクまがいの旅行をした経験があり、日常会話程度の英語には自信があったからです。
受講者の多くは、Iターンの若い方々でした。それぞれの科目でテストがありました。大変だったのはバスツアーに参加して、湯湾岳など奄美のいくつかの景勝地や特産物を1人ずつ交代で紹介する実地研修でした。それらにクリアした者のみが沖縄から来た先生2名との最終の口頭試験を受けることが出来ました。
私は研修ウォーキング中に奄美を紹介する幾つかの文章を小さなメモ帳に書き、英語でブツブツ唱えながら暗記しました。今回(2022年度)、奄美群島全体での合格者は26人でした。その中の一人が私で、名古屋市からIターンして来た男性(76歳)に次ぐ高年者でした。
4月までに3隻のクルーズ船が入り、5月は「にっぽん丸」など2隻、6月は「ヘリテージアドベンチャー」など4隻の入港が予定されています。
通訳士としてこれまで参加して、奄美の経済の底上げには少しは役立っているかなとは、思っています。しかし、午前10時入港・午後6時出港では、港ばかりがにぎわう一方で、やんご(屋仁川通り)の飲食店は全く潤ってない状況だと感じています。
旅程を変更するとなると、次の寄港地に影響があり難しい問題だと思いますが、観光と自然保護が両立でき、その上、地元への経済効果も最大限に発揮できる施策を考える必要があるのではないかと、思っています。
現在、私はボランティアで参加していますので、仕事として収入が得られるのはずーっと先になるのではないか、と考えています。それまではなるべく多くの外国人と接し、英語に磨きをかけていくつもりです。
妻の全面的な協力も得て、この活動で新たな生きがいを見つけたと、思っています。遅ればせながら第二の青春(?)を謳歌している今日この頃です。
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