会員からのお便り

サツキに魅せられ40年−記原正一郎

 小生が趣味でサツキの栽培をするようになって、40年ほどになった。昨年から、居住している横浜市の浜友さつき会(会員28人)の会長に就いている。また昨年、上部団体の日本皐月協会に入会しその支部となった。
 5月末から6月初旬にかけては、全国各地でサツキの展示会が行われる。そこへの出展準備とその後の枝葉の剪定(せんてい)作業や植え替えなどで、サツキ愛好家にとっては1年で最も忙しい時期だ。
  今年も浜友さつき会の展示会に数点、出品した。「日光」など3品が神奈川県議会議長賞などを受賞した。しかし、上野公園の竹の台広場であった日本皐月協会主催のサツキ界屈指の「さつきフェスティバル」では、小品部門での努力賞に終わった。

上野公園のフェスティバル会場。世界的な盆栽ブームで外国人も多く訪れた

 年1回、上野公園で開かれるこのフェスティバルには、全国の支部から愛好家が自信の作品を出してくる。小生は昨年が上野観光連盟賞、一昨年には優秀賞を受賞していたが、今年は入賞ならなかった。この展示会を肝心要の目標としていただけにとても残念だった。

努力賞の小品「彩晃」(上野会場で)
大品「金采」(自信の作だったが。同左)

 小生がサツキ栽培を趣味にするようになったのは、30代前後の頃。近くのアパートの庭で咲いている花があまりにもきれいで、感動したのがきっかけだった。それからは、専門書で栽培法を勉強するとともに同好の士に教えを請いながら、見よう見まねでサツキ栽培に取り組んだ。
 サ ツキ栽培で一番難しいのは、やはり水やりだと思う。サツキばかりでなく、盆栽は「水やり3年」と言われているが、それほど奥が深いものだと感じる。始めた頃は水をやり過ぎたり、水を切らしたりして高価なものを枯らしてしまったことも度々あった。それも栽培技術向上の代償だと思い、諦めずにこれまでやってきた。また、害虫や病原菌にやられたりするので、消毒などもこまめに行っている。

特別出品した「白淋」と小生。(浜友さつき会の展示会会場で)

神奈川県議会議長賞などを受けた「日光」(同

日本皐月協会会長賞の「星の輝」(同)

神奈川新聞社長賞の「絹の舞」(同)
花が散った後、枝葉の手入れをする小生(同)

 そんな手が掛かるサツキだが、その魅力は何と言っても花の色や形の多様さだ。サツキの種類は2000とも3000とも言われており、1本の樹木から枝ごとに何種類もの色鮮やかな花が咲き、楽しめることだ。また、盆栽としての魅力もあり、花が終わってからの樹形や根の張りの力強さもたまらない魅力だ。
 それやこれやで小生は現在、自宅2階屋上の10坪ほどのスペースに棚を作り、15種類35鉢ほどのサツキを育てている。夏は寒冷紗(かんれいしゃ)で暑さをしのぎ、冬は冷たい風が当たらないよう、気を配っている。水やりは夏が1日に2〜3回、冬は2日に1回が基準だが、その日の天候や気温によって微妙な調節が必要だ。
  先にも記したが、このようにサツキ栽培は手間がかかる趣味だ。が、世話をしたらした分だけ良い花を咲かせ応えてくれる。その時は、とても充実感に浸ることができる至福の一時だ。また、同好の仲間との交流やサツキ談議なども楽しみの一つだ。さらに、体や手先を動かすことで健康維持にもつながっているのでは、と思っている。

所狭しと並ぶ自宅のサツキ栽培場

自慢の逸品「大盃」
 幹回り約95センチ、樹高約60センチ(自宅で)
同じく「栄冠」
幹回り約95センチ、樹高約60センチ(同)

 そのような訳で小生は体力の続く限り、この趣味を今後も続けていくつもりだ。今年は入賞ならなかったが、来年の「さつきフェスティバル」(日本皐月協会主催)での上位入賞を目指し、より一層の丹精を込めたサツキ作りに明日から頑張っていきたい、と思っている。

(記原正一郎=S38年実高卒、2013.06.02up)


HOMEへ

Copyright (C) 東京配田ケ丘同窓会/ホームページ委員会 All Rights Reserved.