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南米・アンデスを訪ねて−ZEN

 小生は昨年12月初旬、アルゼンチンのアンデス山地に所用があり、駆け足で同地を初めて訪ねた。観光旅行ではなかったため、車窓からの撮影が多く満足のいく写真は撮れなかった。しかし、それでも日本とは全く違う素晴らしい風景に圧倒され、また文化の違いにとまどった。ここでは、道中の状況などを写真主体にレポートしてみたい。

フフイからアンデスを遠く望む

フフイの町とアンデスの山

 アンデス山脈の標高4000メートル域には塩湖がある。たくさんある。塩湖とは、高地に振る雪や雨が大地のミネラルを溶かして流れ込んだ出口の無い湖で、水分が蒸発してミネラルリッチ(塩水もしくは塩)状態になっている湖だ。
  関西在住の小生は、同僚ら3人と関西空港からフランクフルト(ドイツ)経由ブエノスアイレス(アルゼンチン、以下ブエノスと略)、そして国内便でフフイに飛んだ。距離にして約2万2000キロメートル(地球半周以上)、滞空時間で28.5時間、乗り換え時間を含む旅程では38.5時間を要した。南半球にある同地は初夏の候で、全く汗をかかずさわやかだった。
  フフイは、アルゼンチン最北西部アンデスの懐深い標高1260メートルの高地にある。川筋に面した古い町で、人口約25万人の小都市だ。そのフフイの北側に広がるウマウアカ渓谷は、この地域特有の文化や風景が評価され、2003年にはユネスコの世界遺産に指定されている。先住民族が多く住み、市中は賑やかで特に土曜日夕刻からは夜店も出て、お祭りをやっているのか?と、見間違う状況だった。

賑わう夜のフフイ

スーパーでの買い物風景
ワイン売り場の棚

 塩湖へはR9(国道9号)を北上し、R52(同52号)で一気に駆け上がるルートを取った。現地事務所のスタッフも合流して車に分乗。フフイのホテルを午前7時に出発した。谷間のR9を小一時間ほど走り、左折してR52に入った。 この間、あいにく霧がかかり視界不良だった。馬の牧場があるらしく、馬がいることが分かった。R52に入りしばらく走ると日が昇り始め、霧も上がってきた。色調がモノトーンから総天然色に変わった。そして素晴らしい景観に遭遇した。

上4枚は山肌の色が違う山

  目にした光景を順に記すと、少し違うと感じる青い空。山肌が隣同士で明らかに違う山の色(7色あると言われているそうだ)。風化侵食で鋸刃状になった絶壁。地層の色が何色も重なり、褶曲(しゅうきょく)した模様で現れる崖。岩山に林立するサボテン。落石が気になる怖い道路の崖。つづら折りの道路。世界の道路で最標高の4170メートルにある標識。標高約3800メートルにあるホテル。そして目的地の塩湖。約4時間弱の行程であった。
  標高差約3000メートルを一気に駆け上がって来た割には、高山病の症状は出なかった。しかし、空気が薄いので走るのは厳禁であった。記した全てのシーンに感動し、デジカメのシャッターを押した。しかし、車窓から撮影のため、ピンぼけが多かったのは残念だったが、幾分なりともアンデスの雰囲気が伝わればいいな、と思った。

真っ青な空と落石が気になる怖い崖

荒涼とした岩山に林立するサボテン

サボテン

低木標本

塩の採取現場

塩湖

干上がった状態の塩湖

世界の道路で最標高の4170メートルにある標識(左)

標高約3800メートルにあるホテル

 アルゼンチンを初訪問して感じたのは、ブエノスはさすがに大都会であり、ブティックには日系人がいて日本語での接客がうれしかった。それにしても、中国人観光客はここでもやたらに多かった。飲食物では肉・ワイン・パスタが最高の味で、サラダバー付きのレストランもあった。しかし、フフイのホテル等で食べたライスにはなぜだか芯が残っており、途中から注文を止めた。

ブエノスのデパート前に立つ小生。後ろの写真はディカプリオ

 スペイン語圏のアルゼンチンでは、町のレストランでも数の表現からして英語が通じず、最悪だった。しかし、この時に役立ったのが、日本から持参した指差し会話の本。見事に通じて一人でレストランに入り、飲んで食事が楽しめた。
  その他、セニョールと呼ばれ偉くなったような気になり、あいさつは原則ハグ(抱擁)で、レストランの開店時間は午後8時以降などなど。小生はこれまで欧米や中国などにも出張していたが、さまざまな文化の違いに遭遇した。  最後に、12時間以上搭乗(次も12時間以上乗る)の場合は、1日以上「間」を置いたほうが体にも精神衛生上も良いと思った。還暦前の小生だが、時差ぼけには少々参ってしまった。

(S48年大島工業卒)


 HP管理人から=南米・アンデスへの出張訪問記をまとめてもらいました。企業秘密もあり、現地での具体的な仕事内容には触れていません。ご了承の程、お願いいたします。

(2013.01.04up)


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