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ゼロ戦を見に行く−HP管理人

  HP管理人は12月某日、埼玉県所沢市の所沢航空記念公園内にある「所沢航空発祥記念館」で有料展示中の「海軍零式艦上戦闘機(通称=ゼロ戦)」を見に行った。当時の「栄21型」エンジンを搭載しており、オリジナルエンジンで飛行可能なゼロ戦では唯一現存する機体だ、という。
  同館が来年3月末まで開催している「日本の航空技術100年展」の目玉企画として、米国カリフォルニア州の民間航空博物館「プレーンズ・オブ・フェーム」が所蔵しているのを借り受け展示した。

海軍零式艦上戦闘機五二型の雄姿

 展示資料などによると、このゼロ戦は太平洋戦争中の1943年5月、当時の中島飛行機小泉製作所(群馬県)で製造された。旧日本軍の第261航空隊へ配属され、硫黄島などを経た後、サイパン島アスリート飛行場を基地にしていた。 翌年6月、米国海兵隊によってアスリート基地が占領された際、他の12機とともに鹵獲(ろかく)され米国へ移送。4カ月間にわたるテスト飛行で性能などが徹底的にチェックされ、その後「余剰品」としての宣告を受けた。
  1957年、スクラップとなる運命だったこの機体を前記の民間航空博物館の創設者が引き取り、米国の技術者やゼロ戦設計者の堀越二郎氏(1903−1982)らの協力を得て復元作業を行った。その結果、1978年6月には33年ぶりの再飛行に成功。その後、航空ショーなどで飛行している「伝説の機体」だ、という。

エンジン部とプロペラ
コックピットの風防と20ミリ機銃
ゼロ戦の計器板(展示ゼロ戦とは別)
主要緒元を示す案内板

尾翼側からの雄姿。機番「61−120」は第261航空隊の120号機を示す

 同機の来日は17年ぶり、今回で3回目。過去2回の里帰りでは、龍ヶ崎飛行場(茨城県)などで展示飛行を実施した。小生がゼロ戦の実機を見るのは初めてだったが、映画やテレビでその姿をたまに見ていたこともあり、何だか懐かしい思いがした。
  今回は残念ながら展示飛行の計画はないが、組み立て(既に実施済み)・解体見学会とエンジン始動見学会のイベントは来年3月30日から4月2日の間、実施される予定だ(事前申し込みが必要で、応募者多数の場合抽選)。
 ・イベント情報詳細はこちら
 ・龍ヶ崎飛行場のイベント動画はこちら
 ・エンジン始動見学会の動画はこちら

西武線航空公園駅前に展示されているYS−11型機。帰省の折に乗った懐かしい飛行機だ

YS−11の案内板
(画像クリックで拡大)
YS−11のターボプロップエンジン
(英国ロールスロイス社製)
所沢航空発祥記念館内。小型の飛行機やヘリコプター計11機が所狭しと展示されている

所沢航空発祥記念館とC46中型輸送機(右)

  「日本の航空技術100年展」ではゼロ戦特別展のほか、航空機の進歩と技術の変遷をパネルなどで紹介。その中で@2011年初就航したボーイング787の機体は、日本の炭素繊維複合材料が50%以上使用されているAYS-11以来、ほぼ半世紀ぶりに国産の旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の開発が行われている−ことなどに触れていた。少しばかり日本の将来に希望が持て、ちょっとうれしくなる内容だった。

(山田信廣=S43年実高卒、2012.12.19up)


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