第７回奄美島うたのど自慢大会を開催－奄美文化交流協会など主催
－伊賀さん（島唄の部）と古谷さん（新民謡の部）が優勝－
奄美関係者にとっては夏の風物詩にもなっている奄美島うたのど自慢大会が８月２８日、東京・目黒区の区民センターホールで開催された。奄美文化交流協会などが奄美群島の文化である島唄や八月踊りなどを通じて、古里を懐かしんでもらうと共に奄美の振興・発展などにも寄与することを目的に始めた。
７回目となる今年はスペシャルゲストとして、奄美から島唄の第一人者である森山ユリ子さんを招き開催した。この日も大勢の観客でにぎわい、懐かしい本場・奄美のウタシャ（歌者）の歌声に酔いしれた。
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太鼓と三線に合わせ島唄を披露する森山ユリ子さん（中）
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大会は５部構成で、第１部の島唄の部には都合で欠席した３人を除く１３人が出場。千葉県浦安市出身で、森山さんの山ゆり会（東京）で島唄を習っている伊賀美佐子さんが「芦花部一番節」を歌い、見事優勝した。
続く新民謡の第２部には１５人が出場。瀬戸内町出身の古谷雄一郎さんが自身で作詞作曲した「昭和に抱かれて」をギターで歌い、初出場ながら優勝を果たした。
舞台上ではこの他、休憩を挟みながら歴代優勝者らによる歌遊びやゲストによる島唄と新民謡、森山ユリ子ショーなどが次々と披露され、最後まで飽きさせることがなかった。
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オープニングで久永さんの「すらよい黒糖」に合わせ踊る碇舞踊団の皆さん
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島唄の歴代優勝者らによる歌遊び
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この日は前日から台風１０号の影響が心配されていたが、会場には朝から観客が三々五々と集まり始め、開演時間を待たずに約４００人の入場者で満席となり、立ち見も出るほどの盛況ぶりとなった。
オープニングでは、久永さとみさん（兼審査員）が歌う「すらよい黒糖」に合わせ、碇浩二舞踊団の皆さんが踊りながら観客席から舞台に上がり、のど自慢大会の雰囲気を一気に盛り上げた。
審査開始を前に、司会者から審査員を務める恵原義之さん（元電通企画推進部長）、ジャバラレコード代表の森田純一さん、奄美文化交流協会副会長の梅崎義人さん（元時事通信社）ら５人の審査員の紹介と各賞、採点方法などの内容説明があった。
その後、各出場者は持ち時間（３分間前後）の中で、三線やお囃子（はやし）、カラオケの伴奏に合わせ熱唱。午後３時過ぎ、のど自慢大会は順調に終了した。
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島唄の部優勝の伊賀さん
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同部準優勝の新谷さん「行きょれ節」
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「しゅんかね節」を歌う同３位の福田さん
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同特別賞の小幡さん「むちゃ加那節」
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同審査員賞の田中さん「こうき節」
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出場者で最高齢の住誠一郎さん「野茶坊節」
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奄美新民謡の部優勝の古谷さん
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同部準優勝の重信さん「南国エレジー」
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同３位の吉河さん「奄美のさすらい千鳥」
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同特別賞の野沢さん「奄美の女」
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同審査員賞の向中野さん「奄美恋しや」
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同審査員特別賞の工藤さん「泥染一代」
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３部のゲストコーナーでは、竿田美也子さんが南国エレジーなどの奄美新民謡を、島唄の部は高校２年時に奄美民謡大賞を受賞した里歩寿さん（ありす、兼審査員）が出演し、ステージに花を添えた。
また、幕間の時間を利用して、森眞一奄美会会長と各郷友会会長らがヨモギ餅を来場者一人ひとりに配り、島の味を楽しんでもらった。
さらに、４部ではスペシャルゲストの森山さんが登場。第４回大会で優勝したヒィギャ節（南大島の歌唱法）の徳原大和さんとカサン節（北大島の歌唱法）との節回しの違いを解説しながら、交互に歌ってみせた。
その後、愛弟子の森永あすかさん（奄美北高２年）の三線で「くるだんど節」など数曲を披露した。また、１０月の全国民謡民舞全国大会に出場する森永さんも「今ぬ風雲節」を伸びやかな声で歌い上げた。
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新民謡などを歌う竿田さん
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島唄の里さん
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愛弟子の三線に合わせ歌う森山さん（左）
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「今ぬ風雲節」を歌う森永さん
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審査発表・表彰式では、受賞者に賞状とトロフィーが渡され、優勝者にはさらに副賞としてバニラエアから成田―奄美往復航空券が贈られた。
その後のフィナーレでは、「六調」の島唄が流れる中、出演者と観客が一体となって舞台上や通路で踊り、会場内は奄美の熱気に包まれ終了した。
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舞台上で記念撮影に応じる出演者と審査員
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大会運営総括委員長の樺山浩三さんは「群島全体の盛り上がりを意識してやっているが、今回は与論からの出場者が無く残念だった。また、島唄の部では急きょ、３人が都合で欠席したのも痛かった。しかし、プログラムは表裏紙とも与論の写真を使わせてもらい良かった」と述べた。
その上で「会場での私語が無く、真剣に聴いていてくれた。１・２部問わず若者から大ベテランまで参加し、歌声もレベルアップしていた。また、アメリカから帰国した田中美穂アナの司会で進行がスムーズだった。お客さんなどからもう少し大きなホールで・・・との声も出ている。これから来年のゲスト探しです」などと、今後の抱負を語っていた。
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最後は出演者と観客が一体となり六調で盛り上がった
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★優勝者を含む入賞者は以下の通り（敬称略、カギカッコ内は曲名）
・第１部島唄 ①優勝 伊賀美佐子（千葉県浦安市）「芦花部一番節」 ②準優勝 新谷めぐみ（佐賀県）「行きょれ節
」 ③第３位 福田順之（龍郷町） 「しゅんかね節」 ④特別賞 小幡美紀（笠利３世）「むちゃ加那節」 ⑤審査員賞 田中真由美（瀬戸内町）「こうき節」
・第２部新民謡 ①優勝 古谷雄一郎（瀬戸内町）「昭和に抱かれて」 ②準優勝 重信洋子（沖永良部）「南国エレジー」 ③第３位 吉河愛子（喜界町）「奄美のさすらい千鳥」 ④特別賞 野澤有得（奄美市住用）「奄美の女」⑤審査員賞 向中野末子（奄美市笠利町）「奄美恋しや」 ⑥審査員特別賞 工藤幸夫（北海道小樽市）「泥染一代」