レポート
 


自衛隊観閲式を見学して−叶 正喜

 小生は去る10月27日、埼玉県の陸上自衛隊朝霞訓練場で行われた自衛隊の観閲式を親しい友人らと10数年ぶりに見学しました。陸上自衛隊に55歳まで奉職していた関係で、後輩たちの雄姿を目の当たりにして大変うれしく心強い思いがしました。

整列する防衛大学校学生隊

 自衛隊観閲式は諸外国では観兵式に相当し、観閲官は自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣、主催者は防衛大臣となります。陸上、海上(観艦式と呼称)、航空の各自衛隊が持ち回りで実施主体となっており、陸上自衛隊の主催は3年ぶりです。

 観閲式には陸・海・空の部隊員約4千人が参加。安倍晋三総理大臣と小野寺五典防衛大臣、自衛隊や関係機関の幹部、そして約2万人の見学者らが見守る中、陸・海・空の合同音楽隊を先頭に観閲部隊本部や防衛大学校学生隊、普通科部隊、女性自衛官部隊などがりりしくもたくましく観閲行進しました。

行進する衛生科部隊

  続いて観閲飛行部隊指揮官機を先頭にヘリコプターやP−3C対潜哨戒機、F−15/DJジェット戦闘機など航空機約50機が上空を観閲飛行。次いで国際派遣部隊を先頭に偵察部隊、空自ペトリオット部隊、野戦特科部隊、戦車部隊などの主要装備約240両による車両行進が勇壮に行われました。

 この他、米軍の海兵隊や韓国などが運用し、陸上自衛隊が島しょ防衛を強化するため、正式導入を検討している水陸両用車AAV7の展示も行われていました。

P−1哨戒機

F−15/DJジェット戦闘機

10式戦車
96式双輪装甲車

 マスメディアでも報道された通り、安倍総理大臣は尖閣諸島周辺で挑発を強める中国を念頭に「力による現状変更は許さないとの国家意志を示すため、警戒監視活動を行っていかねばならない」と訓示。さらに「防衛力は存在だけで抑止力となるといった従来の発想は捨て去らないといけない」などと訴えました。

 先の民主党政権下の総理大臣(自衛隊最高指揮官)の訓示に比べ、毅然(きぜん)とした態度で国防に対する踏み込んだ発言が多く、現役の自衛官をはじめOBが自信と誇りを取り戻せる内容だった、と思います。

観閲する安倍総理大臣
旭日旗を先頭に行進する海上自衛隊員

 久しぶりに観閲式を見学しましたが、一般見学者の増加には目を見張りました。これは、一昨年の東日本大震災時における自衛隊の活躍や最近の尖閣諸島問題などに端を発した国防意識の高まりなどが背景にあるのかもしれない、などと思った次第です。

 この日は台風27号の上陸が懸念されていましたが、朝から爽やかな秋晴れの天気となりました。来年度は航空自衛隊が実施主体となり、茨城県の航空自衛隊百里基地で開催の予定です。

(S43年実高卒、2013.11.08up)


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